井筒屋旅館は、大町の大火で焼失し、明治中期に再築されたが、その時の非常に珍しい縁起物が、歴史交流館となった井筒屋の今に残されている。
それは、当時の上棟式の時に用いられた破魔矢である。表鬼門には鶴の、裏鬼門には亀の絵が描かれた破魔矢をたてる風習が、この地方にはあったとされていて、上棟式後は鶴の破魔矢を棟梁が持ち帰り、亀の破魔矢は屋根裏にのこしたいう。
井筒屋もそれに倣っており、亀の破魔矢が平成29年の曳家工事リノベーションを行った際に3階の屋根裏で見つかっている。
青、赤、黄を基調とした、今も色鮮やかで美しい文様の破魔矢を、2階・3階の吹き抜け天井に飾ってあるので、ぜひご覧ください。
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