明治の初め頃、大町の大火によって井筒屋旅館は全焼してしまう。その後、明治13年に再建されるが、用いた建材は同じく消失した水戸城の残材を払下げられたもの、と伝わっている。が、文献がないので定かではない。
笠間城記を読むと、この辺りの火事は何度かあったようで、「立て続けに2度も近くで火事があったのに、稲荷神社が無事だったのは不思議なこと」と書かれているのは興味深い。
井筒屋の神棚には、(おそらく再建後に作られたものだと思われるが)井戸と水桶が祀られている。
大きさは違うが、笠間稲荷神社の境内にも同じものが残っている。もしかすると、火災を免れたお稲荷さんにあやかるようにと、同じものをこしらえて、井筒屋の火防を祈願したのかもしれない。
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